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言葉をさがして

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2005年 08月 20日

僕のなかの壊れていない部分 白石一文

2002年8月 光文社刊

生きることの意味を問うことは無意味なのかもしれません。
この世の中には色んな人がいて、何が正しくて何が間違っているか、と考えることも間違いなんだと思ういました。人を認めることは難しいし、またその必要もないのでしょう。まして、自分を理解して欲しいと望むこともおかしなこと。全て、ただそこにあるだけなのですから。



雷太もほのかも、死とのつながりのなかに自らの幸福を求めようとしているのだろう。そして、それ自体はきっと正しいことなのだ。何よりも、誰よりも、それは正しいのだ。何のために生きるかも、自分がどうなっていくのかも、実はどうでもいいことなのかもしれない。人はただ死ぬために生き、やがてこの肉体は燃えて灰となるだけなのだから。

# by t_hollyhock | 2005-08-20 19:44 | その他
2005年 08月 20日

ぼくは勉強ができない 山田詠美

自分らしく生きたいと思えば、それがじぶんらしくいよういう演技を自分にさせているんだという気がしました。自分を自分として受け止めたいと思いました。



幸福に育って来た者は、何故、不幸を気取りたがるのだろうか。
不幸と比較しなくては、自分の幸福が確認出来ないなんて、
本当は見る目がないんじゃないのか。

ほらほら、悲しみは、おなかをいっぱいにしないわよ。
つまらないことで悩んでいると、ハンサムじゃなくなっちゃうから。

人が人を無責任な立場から裁くことなんて出来ないよ。
すべてに、丸をつけよ。とりあえずは、そこから始めるのだ。

石鹸の香織を漂わせようと目論む女より、
自分の好みの強い香水をつけている女の人の方が好きなんだ。

自然体ってう演技しているわよ。
自由をよしとしているのなんて、本当は自由ではないから。

皮剥き器で野菜を削った時のように、
ぼくのおかしな自意識も削り取ることが出来れば良いのに。

皮を剥いても剥いても野菜じゃ仕様がないわよ。
その内、人の視線を綺麗に受け止めることが出来る時期がきっと来る。
その時に、皮を剥く必要のない自分を知れれば素敵よ。

# by t_hollyhock | 2005-08-20 18:54 | 山田詠美
2005年 08月 20日

24.7 山田詠美

1992年3月 角川書店刊

1日に24時間、1週間に7日間。あなたと一緒にいたい24.7

人を想うことの素晴らしさをかみ締めました。




太陽があり、星があり、花が咲き、風はいつも思いやり深い。
そのこと以外に何が必要なんです。

品の良い人々はスタイルを持つ人間を決して見下したりはしないものだ。
背筋を伸ばした人間は嫌な目には遭わない。

私たちが相手を大切にするのは、むしろ、相手が自分の一部だと想っているからなのだ。自分の小指を誰もが大切に想うように、そして、誰もがその存在を忘れているように、私たちは愛し合っている。すると、小指の効用は想わぬ時に現れる。

人が人に対して出来ることって想っているより多くないと思う。自分が何かしてあげられるって思うのは、自分に対する過大評価なんじゃないかしら。あなたがしたいようにすることが、結局彼を喜ばせることになるのよ。

好きで入る気持をもらっているから、それだけで充分なのよ。

# by t_hollyhock | 2005-08-20 18:44 | 山田詠美